今回は不眠症のお話をさせて頂きます。
不眠症は陰と陽のバランスが崩れた時に発症すると考えられています。
昼間は陽の気が旺盛で夜間は院の気が旺盛になるのですが、何らかの理由で夜間に陽が旺盛になると不眠症が生じると考えられています。
このような時は、陽の力が強すぎる陽実と陰の力が弱くなっている陰虚陽亢の場合があります。
次に具体的な病証をお伝えいたします。
肝胆鬱熱(実証)
悩みや怒り・ストレスなどで肝の疏泄(気を流れ)が悪くなると熱を発生させ、その熱により精神状態が不安になり不眠が発生します。
症状は、入眠困難・眠りが浅い・よく夢を見て目が覚めやすい・イライラしやすい・ため息をよくつく、などがあります。
痰熱擾心の不眠実証(実証)
甘いものや脂っこいものの食べ過ぎで脾の運化作用(水や血を動かす)が失調し、痰が生じることによって心が乱されて不眠を発症します。
症状は、眠りが浅くてよく夢を見る・目が覚めやすい・胸が苦しい・痰が多い・悪心・嘔吐 などがあります。
心腎不交の不眠(虚証)
働き過ぎなどにより腎陰が弱ってくると心陰を滋養できなくなり、心気が盛んになり不眠が発症します。
心と腎は車のエンジンと冷却水の関係にあり、腎が弱ると心の熱を冷ませなくなくなり不眠になると考えられています。
症状は、なかなか寝付けない・寝てもよく夢を見てすぐに目がさめる・動悸・物忘れ・口や喉の乾燥感・手足の火照り・寝汗・耳鳴り・腰や膝のだるさです。
心脾両虚の不眠(虚証)
悩み過ぎ・働き過ぎなどにより脾の運化作用が失調し、気血の生成が低下して心に血が不足し、心神不安となって不眠を発症する。
症状は、不眠とともに動悸・物忘れ・手足のだるさ・元気がない・顔色に艶がない・食べ物の味がしないがあります。
不眠は生活の質を著しく低下させ、睡眠不足は色々な病気の原因になりかねません。
専門医の受診と合わせて鍼灸・マッサージで少しでもお身体のケアをしていただけると幸いです。