■脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
脊柱管狭窄症の症例と治療について
60歳代・男性 農家、書家
主訴・腰痛 左臀部から下肢後面にかけての痛みと痺れ
2021年9月に主訴を訴えられて来院されました。
以前より痛みと痺れはありましたが、整形外科からいただいた痛み止めを一日3回服用して痛みを抑えて生活されておりました。
9月になって仕事の影響か痛み止めを飲んでもあまり効かなくなり日常生活に支障が出てきたので、以前鍼で良くなったのを思い出して鍼治療を。
治療の目的は今飲んでいる薬を減らすこと、趣味の登山を後5年続けること。
問診でじっくりお話を伺い、お身体に無理のない範囲で各種検査。
長く立っていられない、歩いているとすぐに左足が重だるくなり休みたくなる、休憩する時は腰を曲げて前屈みになると楽になるなど、狭窄症の所見が見られました。
幸い症状の出方が片側だけでしたので、比較的良くなりやすいタイプの狭窄症かなと考えました。
(ちなみに両側に症状が出るタイプは馬尾型といい、治療に難儀することがあります)
治療対象を坐骨神経とし鍼を以前受けたことがある方なので、最初から鍼通電療法で坐骨神経に電気刺激を与える方法に。
(鍼が初めての方に最初から鍼通電治療する時は、ご相談させていただき鍼通電治療させていただくことはあります)
神経に電気刺激を与えることで、痛みを感じやすくなっている状態から正常な状態に戻し治療前より痛みを感じにくくします。
神経に電気と聞いて怖い、痛そうと思われるかもしれませんが、心地よい刺激になるように調整いたしますのでご心配いりません。
今回は左側に症状が出ておりますが右側も左側を庇って生活しておられたので、右側も筋肉の疲れを取る目的で治療いたします。
治療点はうつ伏せ姿勢か横向きの楽な方の姿勢で、お尻、太ももの裏、膝の裏、ふくらはぎに鍼を刺して電気を10分から15分。
できる限り患者様のご負担にならない本数で鍼治療いたします。
(坐骨神経はお尻側から出て太ももの裏、膝裏を通過してふくらはぎと脛の方に分かれていきます)
あと足の裏にお灸、仰向けになっていただき下肢前面の筋肉の疲労と緊張をとる治療も。
この患者様の場合は治療直後痛みが半分くらいになり、一週間後に来院予約を頂いて様子を見ることに。
一週間後にお話を伺いましたら、鍼の効果は5日くらい続き今は先週ほどではないが痛みと痺れがあるとのこと。
よくなっているので同じ治療を続けること8診目にはお薬を1日2回に減らし、11診目にはお薬を飲まなくても良いくらいに痛みが落ち着きました。
この頃から来院ペースを2週間に1回とし、半年後の2月にはランニングを30分できるまでになり痛みも疲れた時に感じる程度にまで回復。
今は状態を維持することを目的に1、2ヶ月に1回のペースで来院されており、また趣味の登山の方は今も続けておられます。
今回は脊柱管狭窄症の順調な経過をたどった方のご紹介でした。
症状の強さなどで個人差はありますが、時間をかけて焦らず治療していただければ良くなると考えております。
よろしければ一度そのお辛い症状をご相談ください。