更年期障害でなぜ『のぼせ』は起きやすいのか。
更年期障害を起こしやすい年齢になると、腎虚に陥りやすくなります。
腎虚には腎陰虚や腎陽虚になる場合があります。
陰虚とは身体の陰液が不足するために起こり、顔面ののぼせ・手足の熱感・口や喉が乾燥するけど水は飲みたくない・寝汗・耳鳴りなどの症状があります。
腎陰虚になると肝陽上亢になりやすくなります。
肝陽上亢は肝腎の陰液が不足したため肝陽が亢進した状態で、めまい・耳鳴り・頭痛・のぼせやほてり・腰や膝のだるさなどの症状があります。
この陰虚と上亢により、上半身の『のぼせ』は起きやすくなります。
また『腎』は『心』とも大きく関わっているので、腎の異常は心にも影響していきます。
腎陰虚になると心陰を補えなくなるので『心陰虚』になります。
例えるなら、心と腎はエンジン(心)とラジエーター(腎)の関係に似ており、エンジンが加熱しすぎないようにいつもラジエーターの水で冷やしています。
ここでもし、ラジエーター(腎)の冷却機能が低下しエンジンの熱を冷やすことができなくなると、エンジン(心)はオーバーヒートすることになります。
心がオーバーヒートすると、のぼせ・動悸・顔面や身体の発汗・口の渇き・全身の熱感が出現します。
また心腎陰虚になるので、不安感・イライラ・不眠・腰痛・疲れやすいなどの症状も合わせて出現します。
更年期では『肝・心・腎』に不調が起こり、そのことが原因で『のぼせ』が起きやすくなっています。